2021年 2月11日 (木)から 28日 (日)まで、
現代美術家・ 神谷敬久の個展 Blue Wrapping を開催します。
〈 Blue Wrapping 〉
シリーズ 窓から落ちる自然光の下で、
キッチュなオブジェが青いテープに包 まれて光っている。
神谷敬久の現代アート作品〈 Blue Wrapping 〉シリーズの支持体は、
ワニの木彫作品、ブリキの車フィギュアなど、
神谷自身が世界 中のセレクトショップや蚤の市で収集したオブジェである。
それらは、職業デザイナーとして独自のスタイルを持つ神谷が
「デザインの資料」として数あるプロダクトの中から選び、
今まで捨てられずに残されてきたモノたちである。
「デザインは問題解決の手段であり、
個々のデザインはそれぞれミッションを背負っている」
と語る 神谷が役目を終えたモノに透明なテープを幾重も重ねることで、
モノは美しいグラデーションと共に青く光りはじめるオブジェとなる。
その創作プロセスは、神谷の網膜に刻まれた膨大な数のデザインを
再編集する「終活」プロセスである。
しかし注目すべきは、神谷がこの儀式的な終活プロセスに
嬉々として制作しているという事だろう。
「青」という色を愛し、
自らが起こした事業のコーポレートカラーとしても用いている神谷が
「驚くほど自然な流れで創り始めた」と語るように、
〈 Blue Wrapping 〉シリーズの「青」は
この作品群のコンセプトを明快に示している。
それはオブジェの形状をハイライトで浮かび上がらせる「青」であり、
デザインの寿命を悲壮感なく突き抜けていく「青」である。
この青い光に誘われた神谷の美意識は、
ミッションから解放されたモノ〈存在〉との新鮮な出会いに喜び、
新しい関係性を創造することに 、今も熱中しているだけなのだ。
アートディレクター 佐藤壮生
終活という、再スタート
1970年代に株式会社スーパープランニングの前身となるデザイン事業を開始し、
小さなモノはブックマッチからブランドカンパニーのプロデュースまで、
ほぼ半世紀に渡りデザインの現場に関わってまいりました。
一昨年の会長就任を期にデザイナーはお役御免となり、
お陰様で 2021 年の2 月に古希を迎える事となりました。
この機会に現代美術家として第二の人生を歩む決心をし、
終活という 再スタートを切ろうと思います。
神谷敬久
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